身体の変化に合わせて接することが大切

高齢者とコミュニケーションを取るときには、落ち着いたトーンでハッキリと話しかけるように心がけることが大切です。高齢者の多くは、身体の変化によって高い周波数の音が聴こえにくくなります。大きな声で喋っていても、高い声だと耳に届かないことがあるのです。声が高い人は意識的に低めにして、ハッキリと話すとよいでしょう。

一度にたくさんの情報を詰め込まずに、言葉に区切りをつけながら丁寧に話しかけるのもコツです。この他に、話しかけるときの立ち位置にも注意します。真横から大きな声で話しかけることを不快に思う高齢者も少なくないため、正面から話しかけることが大切です。車椅子や椅子に座っていたら、かがんで目線を合わせると安心感を与えられます。

認知症の高齢者の多くは、記憶力や時間などの見当識の低下、判断力や思考力の低下などの身体の変化が起こります。自分がなぜこの場所に居るのか、目の前の人物も誰だか分からなくなるケースもあるのです。進行具合によって症状は様々ですが、認知症の人と接するときには声を荒げたりせず、共感することがポイントです。

認知症の高齢者の言っていることとやっていることがチグハグだとしても、今の状況や気持ちに寄り添って優しく接するようにしましょう。否定的な言葉は避けて、肯定的な言葉に言い換える努力も必要です。

コミュニケーションを取るときは基本的には笑顔で接して、明るい雰囲気づくりを心がけます。相手が悲しそうだったり不安そうな表情をしているときには笑顔を見せず、表情も共感するとスムーズにコミュニケーションが取れます。